ワスレモノ

ワスレモノ

「もう 終わりにしよう」
月が微笑む 小さな部屋で
貴方は呟いた

そう 分かっていたのに
ただ溢れる 大きな愛が
私を濡らした あの日から


口にすれば嫌われそうで
もう 会えなくなりそうで
さよならの後の貴方の顔
愛おしくなるばかりで


私を抱いたその手は
私の好きな優しい手で
指先はやけに冷たくて
触れるたび離れちゃうって笑って

貴方が触れたこの髪は
貴方の好きな匂いのまま
バカらしいけど まだここにあるの
貴方が忘れたままだから


ねぇ 教えて欲しいの
あの日触れた指先から
伝わる冷たさ

あんなに 笑っていたのに
少しくらいの 好き嫌いも
言わずにありがとうただそれだけ


使い終えた 空の容器に
まだ 少しだけ残ってる
貴方が忘れてしまったのも
どうやら わざとみたい


私が泣いた この声じゃ
今では足りないくらいだけど
貴方の幸せ 望めるような
私じゃないこと あなたは気付いてるんでしょ


愛してるから キスをしたの
愛してたのに 手も握らないんだね
思ったことは 口にしちゃう
私の裏側にずっと 隠れていたんだね


私を抱いたその手は
私の好きな優しい手で
指先はやけに冷たくて
触れるたび離れちゃうって笑って

貴方が触れたこの髪は
貴方の好きな匂いのまま
バカらしいけど まだここにあるの
貴方が忘れたと思ってた

私に残してくれたから

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